書物

西原理恵子『はれた日は学校をやすんで』(ISBN:457593366X) 救われます。中学生くらいで読めてたら良かったな。 決して「頑張れソング」的な絵空事の励ましではなくて、どこか突き放している現実感も感じられて、それが心地よい。 収録作の『やまもとくんと…

恩田陸『ねじの回転』(ISBN:4087745856) 読了。シアワセ。あまりにも思うところあって、1ヶ月近く延長し続けて借りて三度も読んでしまいました。渋谷図書館利用者の皆様御免なさい。ずっと借りてたの私でした。 あの、2・26事件のパラレルワールド。超壮大…

id:kitou:20040426を拝見していて知った、中井英夫『虚無への供物』新装版!(ISBN:406273995X)本屋で見てきた。ウワ、ホントだカッコイイわ。昔の版を持ってるけど買ってしまいそう。 河出から出てて絶版になってる『薔薇への供物』も復刻されればいいのにな…

高橋由佳利『涙の陸上部』(ISBN:4086177609)(ISBN:4086177617) 最近はマンガしか読んでない。元々腐ってた頭が更に腐りそうです。 さて、このマンガは、自分が80年代に小学生でリアルタイムに読んでいたもので、改めて、リアルタイムに読んできた時代っての…

『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人(ISBN:4575931764) 私はこのシリーズが結構好きなのです。この第二部は二葉亭四迷と森鴎外、そして彼の舞姫ことエリスが主役の明治のお話。鴎外をあまり好きになれない私でも読めてしま…

野坂昭如『少女M』(ISBN:4062102501) 初老の文筆業を営む男が、援交で知り合った少女やら文學の勉強をしにきた少女やらと非常に淫らなことをする、とっても危険な妄想短編集。 私小説っぽく書いた、あくまでフィクションだということは頭では理解できるのだ…

花輪和一『刑務所の中』 独房に入って「充実してるなぁ〜」とか、ムショの中で「こいつ暗くて共感もてるなぁ」って台詞に共感したくないけど腑に落ちてしまふ。ダメなところに共感とかしたくないんだけど、やっぱり面白いです。映画の方も好きです。アルフォ…

野坂昭如『感傷的男性論』(ISBN:4946448322) いやー、非常に勉強になります、先生。 いや、別にこれで男を知ろうとかいうわけじゃなくてね、単純に、男も女も老いるためにわきまえていた方がいいようなコトが一杯書いてあるのです。とくに男性諸氏は読んだ方…

村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 25を過ぎた辺りから、自分の読書の割合が6:4くらいで再読の方が多くなってきた。で、この本も初めて18歳で読んでから、これで何回目かの再読をしている。完結した世界というのは悲しく綺麗だ。 一…

恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』(ISBN:4152084375) 恩田陸って読んだこともなく、六番目の小夜子のイメージしかなかったんですが…うら若い友人に薦められて読んでる途中。 いやはや、面白いです。 サブカルチャーが排斥されて、地球には日本人だけが残る近…

 週末しか本が読めないなんて。

皆川博子『みだら英泉』(ISBN:410362003X) 浮世絵師・渓斎英泉に関する小説。友人に杉浦日向子の『百日紅』を借りて、これがめっぽう面白く、何が面白いって絶対に真似のできない間の作り方と、北斎をはじめ、娘のお栄、居候の善二郎などなど人物描写がとく…

まだ買ってないけど欲しい本、何点か。 暮しの手帖保存版Ⅲ花森安治 これ絶対買いですよ。大人の科学「ピンホールカメラ」 これも絶対買いです。貫井徳郎『慟哭』(ISBN:4488425011) タイトルと、作者のお名前だけでちょっと痺れてますミステリ。1月末まで…

諸星大二郎『栞と紙魚子』(ISBN:4257722118) 私は諸星大二郎が大好きです。好きな漫画家を3人挙げろって言われたら多分1人はモロ★を挙げるくらい好きです。この人のオカルトが好きとかそういうんじゃないんです。 自意識とかそういう七面倒な部分で非常に共…

松谷みよ子『モモちゃんとプー』(ISBN:4061192329) 『モモちゃんとアカネちゃん』(ISBN:4061192337) 眠れぬ夜には児童文学なのです。20数年ぶりに読み返してますが、もう、号泣であります。悲しい辛いとかそういうんじゃなく、余りにも自分が失ってきた、或…

J.D.サリンジャー/村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(ISBN:4560047642) やっとっていうか今更だけど図書館で借りて読んだ。妹フィービーのノートにスペリングミスが多いなんていう、野崎孝訳では解らなかったことが解った。フィービーは本当に良…

川上弘美『センセイの鞄』(ISBN:4582829619) ツキコさん38歳。センセイ70歳(推定)。個人的に教師と教え子という関係性には嫌悪してしまうものの、これはとても好き。まずは恋愛というものを抜きにしても居酒屋小説としてもスバラシイ。のん兵衛は多分気に…

岡田あーみん『こいつら100%伝説』(ISBN:4088535308)(ISBN:4088535774)(ISBN:4088536428) 物心つくかつかないか、幼少の頃のドリフターズとまことちゃん。そして小学生になって、この岡田あーみんを読んだこと。私の中のトラウマギャグ史、これらの出会いに…

 二十一世紀の西行を待ちながら、待たれながら。

金子兜太・いとうせいこう『他流試合』(ISBN:4103701048) 凄い面白くて。俳人金子兜太さんといとうせいこうさんの対談集。主に、伊藤園俳句大賞の受賞作品をめぐって。 五七五のリズム、スピード感に関する一考。切れ。アミニズム。韻の問題。対談で展開され…

京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』(ISBN:4061822934) 今更というかやっと読了。4年ぶりくらいの新作なのでしたっけか?余りにも早い段階で下手人が解ってしまったり、謎解きも何もないような感じで、そういうのを期待して読んでいたとしたら多分不満に思ったろうけど…

松本大洋『ピンポン』 先日うっかりテレビ放映されていた映画を観て、原作漫画を読み返したくなった輩も多いのでは?私もそのくちで再読。寺山修司が「勝者にはなにもやるな」って言ってたけど、ピンポンにかぎらず、スポーツものに限らず、私はいつも敗者に…

森薫『エマ』(ISBN:4757709722)(ISBN:4757713126) ただのメイド漫画家じゃありませんね、貴女。 巧いよねェ…。ホントにねェ。メガネのメイドさんといういかにもな萌えキャラ設定が、無理矢理でなく活かされてます。メガネをかけるようになったエピソードと、…

磯崎新『ル・コルビュジエとはだれか』(ISBN:4900456721) 個人的な趣向だが、無機的で、あまりにも整然とした建物を観ると、私は感極まってしまう。ゴシックの洋館なんかだと「ああ、綺麗だなぁ」で片付けられるのだけれども、直線的なものは「綺麗」で片付…

藤子・F・不二雄『ドラえもん[未来・宇宙編]』(ISBN:4091940048) 小学館コロコロ文庫版のドラえもん。十年ぶりくらいにドラえもん読んだ。けど殆ど内容を覚えていた。てんとう虫コミックス34巻までは持ってたんだよ、そういえば。捨てられたけど! 改めて…

『モードと身体』(ISBN:4046515058) id:mico315:20030826で、日本美人史みたいの知りたいとちょっと書いてたら友人が参考までにと紹介してくれた本。日本に限らず欧米のことなんかにも触れている。モード、と、身体、そしてアートとつけたい本。この本は完…

『アパートメント 世界の夢の集合住宅』(ISBN:4582634001) ガウディ、グロピウス、ミース・ファン・デル・ローエ、フンデルトヴァッサー、コルビュジェなどなど。世界の建築家が手がけた世界の集合住宅。建築旅行してみたいなぁ。 メールボックスや照明、…

○『酒のかたみに』(ISBN:4924713430) 酒で綴る亡き作家の半生史というサブタイトルつき。開高健、色川武大、高橋和巳、中上健次、吉行淳之介など。中でも、立松和平の手による中上健次の項が痺れる。ただ作家と酒というテーマ以上の、あるいっときの、ギラ…

美内すずえ『ガラスの仮面』1〜41巻 これ読みなおしたいが為に帰省したともいえる。いやぁ、凄い。ヒトツの巻に20回は失笑できる。30回はツッコミ入れられる。というとまるでけなしているようですが、とても好きです。寝食忘れて読みふけることができ…

●柴田元幸・村上春樹『翻訳夜話』(ISBN:4166601296) 翻訳を学ぶ学生のためのフォーラムの模様や対談などを収録。村上春樹・訳のポール・オースター作品、そして柴田元幸・訳のレイモンド・カーヴァー作品収録。*1良い本だと思いました。 英詩を訳したことく…

梶井基次郎『檸檬』(ISBN:4101096015) 夕べ、何度目かの再読。書くほどのこともなく、名著オブ名著なんだけど、どうしても書きたかったのは 、こんな本は既に新潮文庫の百冊とやらから外されてるという事実があるから。 言葉は生きている。明治からの近代文…

夏目房之介『漱石の孫』(ISBN:4408321710) 漱石が凄いのは勿論ですが、夏目さんは、今まで誰もやろうとしなかった記号論とも違うようなマンガ論を展開させたのでとても凄いと思います。このエッセイを読みながら、ニッポンマンガの好きな欧米人についてずっ…