恩田陸『ねじの回転』(ISBN:4087745856)
読了。シアワセ。あまりにも思うところあって、1ヶ月近く延長し続けて借りて三度も読んでしまいました。渋谷図書館利用者の皆様御免なさい。ずっと借りてたの私でした。


あの、2・26事件のパラレルワールド。超壮大なSF。
時間遡行装置というものを使って、歴史をやり直す国連管轄下組織のある近未来。あまりハッキリとは描かれていなかったけれども、恐らく作中の『聖なる暗殺』というのは、時間遡行をして独裁政権を握る前にヒトラーを暗殺したのだろう。そういう風に、ターニングポイントとなる歴史の地点に戻って、歴史を修正している世界。作中で描かれた歴史修正地点というのは、未完クーデター2・26事件。


最後の畳み掛ける感じにアレレっていうのが正直あったものの、それでも、もう、2・26ってだけで良いよなぁと思ってしまう私も、作中人物のマツモトと同じように感傷的日本人なのだ。多分。
2月の東京の、かつて東京も寒かったであろう時代の温度がヒリヒリ。