○『酒のかたみに』(ISBN:4924713430
酒で綴る亡き作家の半生史というサブタイトルつき。開高健色川武大高橋和巳中上健次吉行淳之介など。中でも、立松和平の手による中上健次の項が痺れる。ただ作家と酒というテーマ以上の、あるいっときの、ギラギラした感覚までもがイメージできる。
それにしても、ずいぶん呑んでないのでこの日記の[飲酒]カテゴリーも意味を成さなくなっている。全くの下戸という体質以外なら、訓練と習慣性である程度はお酒を呑めるようになるとは思う。呑まなくなればなったで、すぐに弱くなる。弱い方が、コストパフォーマンスが高くていいなぁと思う。

○『江戸女の色と恋 若衆好み』(ISBN:4054018440
若衆ってのは、江戸時代の、男色家相手の美少年という認識しかなかったけれど、この本によると、その若衆に耽溺する女というのがとても多かったそうで…非常に興味深い本なり。図版も綺麗で着物の柄など眺めてるだけで楽しい。

いわゆるやおい文化は、1970年あたりから発生したわけではなく、古くからこういう傾向ってあったようで。また、この本に載せられた春画なんか見てても、どっちが男でどっちが女なのかよく解らないくらい倒錯的。美少年というか、これはもう境界上の綺麗なヒトって印象。それでも、そういう中性的な男性がウケるのは今も変わらない気もするし。
このあたりをもっと深く探るのも面白そう。