ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語−夢の楽園@原美術館

今回はかなりガーリーに絞った展示らしい、ということは聞いていたので拍子抜けするようなことはなく。
彼の壮大な1万5千枚とかに及ぶ、例の虐待される子供が闘ったりする変な妄想絵巻物の一端を観ることができます。
作品数はそう多くはありません。でも日本初公開の作品が殆どだとかで?
個人的には彼の暮らした部屋の写真が興味深かった。あとその部屋の家主であり、死後に作品を託された芸術家ネイサン・ラーナーによるコメントも。そういうものに興味がシフトするってことは自分はダーガーの外堀を知りたいのかなぁってことに気づかされてそれまた興味深かった。なんにせよアウトサイダーアートはキチ○イだけではくくれないし、なんか観た時に驚きと不安と不満となんかモヤモヤと渦巻く感情が面白い。
観られることを意識しないで『作品』を作る、否、それは作品ですらなくて、やっぱり公開マスターベーション的なものを感じてしまうのだけども、今回の展示もその匂いが顕著で(絵が絵なだけに。)、彼は生きながらにしてあちら側で呼吸をしたり食べ物を食べたりすることと同義で絵を描いた、描いた?んだろうけど、河のこちら側で人に見せることを意識しないで何かを−それこそ自己満足の為だけに−作る行為についてどういう意味合いがあるのか考えてしまった。あくまで自分個人の話だけど。
今年か来年に某所ではもっと大々的なダーガー展がある模様。そっちがかなり楽しみです。
それにしても、中々来る機会がないけれども原美はやっぱりいいですね。何より建物がいい。そして宮島さんの常設もあるし。