やなぎみわ マイ・グランドマザーズ展@東京都写真美術館

1999年から制作され続けているやなぎみわのmy grandmotherの全作品展示26点+映像作品1点。
思えば私は2000年くらいからの付き合いで
自分が参加させていただいたのは2001年なのだけども
その頃からちょこちょこと小出しにされる新作をその都度観る機会を得てきた。
で、ちょこちょこ観てきたせいか一堂に会したグランマを一つの空間で観ていくと
ちゃんとそこに時間や作風の流れがあったことに気づいた。
my grandmotherは一般女性(時には男性も)が
その人自身が考える未来のお婆さんに扮するという極めてパーソナルな
その演者の色が濃密に出てしまうような特異な作品だと思う。
だからそれぞれの作品の個性が突出するのは当たり前だと考えていた。
だけど2009年現在までの全部のmy grandmotherを観ると
そこには被写体のお婆さんの個性以外のモノが流れていて
かといってバラバラなのではなく
ゆったりとした作風の流れが感じられてとても良かった。
乱暴な言い方をするとここ最近のは背景がそぎ落とされていく感じ、どんどんシンプルになる感じ。
でもお婆さんそのものの背景はパッと観るだけでは分かりづらく抽象的になってるんだなという印象。
今年のベネチア・ビエンナーレに向けて出国前の総決算みたいな展覧会だった。
図録、というか合わせて出版される作品集はもっと総決算。
エレベーターガールからグランマ、寓話、砂シリーズなど全て網羅。いい作品集だった。