FOUJITA

子供の頃から神経が昂ぶりやすいところがある。
熱が出なくなっただけマシであって
未だにちょっとしたことですぐに眠れなくなってしまう。
あと麻酔とかすっごい利きづらい。
眠くなる成分の風邪薬でも眠くなったためしがない。


悶々鬱ウツと色々なことを考えていたら
起きなきゃいけない時間の一時間前になっていた。ひえ。
そんな調子でどうかなぁと思ったのだけども
定時でサッと帰り竹橋の近代美術館の夜間開館に行く。
藤田嗣治展。
行ってよかった。
例の乳白色の裸婦も猫の絶妙なる姿態も
キャンバスに描いているとは思えないタッチに目を凝らしてしまう。
そして何より晩年にかかる宗教画の色味、素晴らしい。
あの一角の部屋に入った瞬間にゾワーっと来た。
あと今回の展示の各セクションの壁の色がとてもとても良かった。
微妙な色、シビラっぽい綺麗な色を旨く合わせていて私は好きだった。


近代美術館はやっぱり夜に行くのがイイ。
あの休憩室から眺める大手町のビル群。
皇居越しに見るタワァ。
そして一年ぶりくらいに近美行ったけど
あそこの常設展示はやっぱり好きだ。
行くたびに、それほど一般的には名が売れてない作家の面白い作品に触れさせてくれる。
今日も二人ほど面白い作家を見つけたので展示中目録を受付で貰って帰る。
あと館内スタッフのおねえさんのどこか宇宙服っぽい水色制服も好き。
その勢いで毎日新聞の円形のホールに立ち寄って帰宅。秀逸な建物なり。


藤田だって、名が売れ出したのって35歳なんだよなぁ。
生まれながらの才能とかそういうのは別として、たえなる努力、一本でも多く線を引くこと。