Variations on a Silence―リサイクル工場の現代芸術@リーテム東京工場

http://variations.jp/index.html


釣りは、いろいろな物に転化できる。
ポイントを選んで、そのポイントで釣れる魚の傾向をにらんで吟味して
仕掛けを作って、それで、投げ入れる。
水物企画も、それに似ている。
合コンも釣りみたいなもんだ、とかつて知人が言っていて
私はそこまで言い切れる彼女の豪傑さと貪欲さが、逆に好きになったのだけども。


シチュエイションやムードは大切だ。
この、東京湾人工島の外れに建設されたリサイクル工場地始動前を利用しての
現代美術展示というやつも、その特異なシチュエイションだからこそ、という展示だった。
大森駅からバスに乗って埋立地の倉庫街を進むうちに
どんどんどんどん日常というものからかけ離れていく。
ああ、自分は非日常的空間に向かっているのだなぁという高揚感。
そして目的地はやっぱり非日常非現実で
多分、普通のギャラリーとかでやられるとフーンと思える物でも
2割増で楽しめるのではないかと思う。
殆どの作家が、その特異施設に関る作品を手がけていて
巧いポイント吟味と巧い仕掛だなと思える。
刀根康尚さんの、工場の音とラジオの音と羽田空港に離着陸する飛行機の音などをごちゃまぜにした音作品がとても良かった。
会場が閉まる夜まで居て観るのがベストだと思う。来週までです。