よなよな子守唄

出産後一ヶ月検診。
妊娠前にちょっとキツイかもーとか思ってたスカートがゆるゆるになっていた。こんな事もあるのだ。
乳はまさに血々。赤子は母の生気を吸い取り成長を続ける。
しかしそんな母体も色々問題無しとのこと。本日半身浴程度に湯船につかる。
思えば、これはもしかしたら陣痛というやつなのかもしれないという等間隔の痛みに襲われながらも
産んだら暫く入れないのだから、と一人バスタブに湯を張り
Gショックで陣痛間隔を図りながら入浴してから一ヶ月ぶりの湯船である。しみじみ。
そうだ赤子は生後一ヶ月を迎えたのだ。
毎日が恐ろしいくらいあっという間に過ぎるので時間、曜日、そして昼夜という概念があまりない。


ここのところ赤子はホントによく泣く。
生まれたばかりは寝てばかりで、ちょっと泣いてもたいていは授乳で疲れ果てて寝るという感じだったのだが
今は起きている時間が増えてきて、しかしその起きている時間に対する不安だとか
眠いのに寝付けない不満だとかでこの世の終わりのような泣き方をする。
抱っこも、今まで気に入っていた横抱きから首すわりもまだなのに縦抱っこにシフト
しかも立った状態でユラユラ揺らさないと気に食わない時もあって
座って横着しようもんなら更に泣かれる。
もう!ね!深夜に3時間とか、真っ暗な部屋にたった一人で立って抱っこ
何これ?いったいなんの修行かと!
寝つけなくてぐずるって何?眠かったら犬だって勝手に寝るぞ。
と、思うのだけど私の因子を色濃く受け継いでいるのならば
色々なことが不安でしょうがないのも仕方が無いと思われるし
日々、泣き方、表情、体が変化するのにずーっとつきあってられるのは貴重な体験なのだと思う。
そう思うと体力、精神力ともにまだまだ大丈夫な気がするのであった。


深夜、近所迷惑かえりみず泣かれると焦って子守唄などであやそうと思うのだけど
咄嗟に童謡や子守唄が出てこない。
そこで苦し紛れに出てくる歌が80年から90年代のバンドのものばっかりで愕然とする。
アンジーの『パンを一切れ』を歌うと寝てくれる事が多い。
パンを一切れ切ってパンを一切れ分けた、のリフレインがいいのかもしれない。
なにより三戸さんの詩はメルヒェンに富み、詩的、童話的だ。
歌ってるこちらすら励まされ、深夜育児の孤独相まってホロリとくる。
20年前に聴いていた歌をまさか自分の子供に歌う日が来るとはな。