2008晩秋中欧旅行 7日目〜帰国

7日目のウィーンは突風や嵐や冬の雷やら…変わった天候に見舞われてしまった。
この日はアルベルティーナ美術館での『ゴッホ展』と
レオポルド美術館での常設エゴン・シーレを二つ観るだけでかなりの時間を要してしまい写真も殆どない。
アルベルティーナ美術館は開館前に着いたのだけど結構な人出。さすがはゴッホ
そして館内に入る前の仮設テントにあるクロークでコート類を預けないと入場させてもらえない。
クロークは乱雑に行列が出来ていて、体の小さな自分としては人込みに紛れて見えなくなっていたのか何なのか…
なかなか順番が回ってこなくてコートを預けるのに一苦労だった。


ゴッホほどの画家だし、曲がりなりにも美術を学んだ事のある人間にとっては
かなりの数の絵を知っていたつもりだったけど、このウィーンのアルベルティーナ美術館での特別展示は
画集ですら観た事がなかった珍しい絵がけっこうあって面白かった。
なんでも精神病院で療養中の3週間の間に描ききった作品が多かった。
そしてガラスの入ってない絵も多かったしかなり至近距離で見せてくれたことにビックリ。
なんか間口が広い美術館だなーと。コート預けないと入れないくせにね。
それと、けっこう混雑した展覧会だったにも関わらずベビーカーに赤ちゃん乗せて展覧会を観てる人もいてビックリした。
別に周りの顰蹙を買ってる感じでもなくて何より「自由」を感じた。
ウィーンの地下鉄やトラムのドア脇にはベビーカー優先スペースなんかもあったりする。
子供の居ない私だが、日本、とくに東京を子連れで歩くことって結構ハードな目にあう印象を受けたりするんだけど
その日本の感覚とは全然違う感じがしたなあ。


アルベルティーナ美術館のゴッホ展は特別展なので期間限定だったが
常設展にはデューラーの野兎の絵などがある。
あと他の展示室では割と現代美術よりの企画があった。ミュージアムショップも中々良いのでオススメ。
http://www.albertina.at/


次に行ったレオポルド美術館はミュージアムクォーターという複合美術施設内にある美術館。
シーレが200点以上もあるという美術館で真っ白い外観や吹き抜けになった内部など建築的にも見所あり。
ここを観ていて思ったけどシーレの人体表現とか線って日本の漫画と似ているところがある。
十代の頃、何も分からず何かこの退廃的な感じがカッコいいと思ってたけど
漫画的なところにひかれていたのだろうか。
このレオポルド美術館に着いた時点で昼だったので美術館内カフェに入ったけど食事はいまいちだった。
でもミュージアムショップは個性的なアクセサリーとか
ウィーンの伝統工芸品など扱っていて誰かに贈るにはちょうどいいものが一杯だった。
http://www.leopoldmuseum.org/
この日の時点であんまりお土産を買えていなかったので
目抜き通りであるグラーベン通に出てお土産を見繕ったりした。
ウィーンにおける高級スーパー(日本で言えば紀伊国屋みたいな)Julius Meinlで珈琲やチョコを買ったりした。
http://www.meinlamgraben.at/
(パッケージが可愛いものが多いのでお土産にはいいかと思う。)
あとはウィーン市内いたるところで売っている「モーツァルトチョコ」をばら撒き用に普通のスーパーで安価で買ったり。
そうそう、言わずもがなだけどスーパーめぐりは大変面白く、ちょっとしたお土産を買うには最適。
だけど19時で閉まってしまうとか日曜閉店とかが多いので要注意。
店の営業時間とか買い物に関してはプラハよりも不便さを感じたことは否めない。


夜。2008年の新酒「ホイリゲ」(白ワイン)を呑む為に
ワイン生産地である「ハイリゲンシュタット」までトラムを乗り継いで行こうかと思ったのだけど
帰りが暗くなることを考えると心配な事も多かったので、近くのワインバーのようなところに行くことにした。
アウグスティーナーケラーという、午前中に行った美術館アルベルティーナの一階にある穴倉のような店。
かつて修道院のワイン蔵だったところを改築した店なのでとっても味がある。
しかもカジュアルで値段もお手ごろ。グラスワイン、だいたい3ユーロくらいだった。

私はグラーシュ。これはチェコでも似たようなものを食べたので食べ比べ。
夫の頼んだマッシュルームのフライが絶品。こんなにキノコがもりもりしてるとすっごいシアワセになる。

何種類かグラスワインをおかわりして、結構酔っ払って帰宅。
雨上がりのウィーンの夜。

恐ろしく寒く恐ろしく強風。気づいたら手袋をかたっぽ無くした。



翌朝、ウィーンを発つ朝。風花のような雪がチラついていた。
一度ぐらいウィーンのカフェ文化に触れたい、ということでカフェ・ツェントラルへ。
朝早かったせいか人もまばら。でも暫くしたら常連客で一杯になるのだろうな。
それでもここは天井も高いし広いので変な圧迫感を感じなくて観光客でも利用しやすいと思う。
接客もフレンドリーで良かった。
私はブラウナーというミルク入り珈琲を頼んだ。美味。
カフェを出て、暫く散歩。

風花は舞うも、ウィーンに着いて以来一番の晴天なんじゃないかと思われる空だった。
名残惜しい天気の中、チェックアウトをして空港へ向かう。
今回私たちが利用した帰路はウィーン・ミッテ駅まで地下鉄で出て、そこからCATというエアポートトレインで向かうものだった。
16分で空港に着いてしまううえ、ウィーンカード利用で9ユーロ→7.5ユーロに割引。
券売機で買う時にウィーンカード割引を適用させるやり方が分からなかったけど
近くにいた係員の人が操作してくれたので割引価格で買えた。
CATに乗る前に何社かの航空会社のチェックインカウンターがあって
空港に着く前に飛行機のチェックインができるし、重たいスーツケースともそこでサヨナラ。すっごい便利。
しかしこのCAT乗り場まではウィーン・ミッテ駅からけっこうな距離を歩いて行くのでそこが難点。

2階建の近代的車両、空港までの道のりはあっという間。
途中、凄い広大な墓地やちょっと離れると工場群があって、さっきまでいたウィーンの街とはだいぶ違う風景。

工場に狂喜。ウィーン最後の写真がこれ。
空港に着くとかなり吹雪いていて、少し遅れてウィーンを離陸した。
さよならウィーン、プラハ、中欧の国々。
正直言ってウィーンは時間もあんまり無くて美術館の見学で終わってしまったところが否めない。
過密に観光したなーっていうのはウィーンだけど
じっくり、しかしのんびり出来たのはプラハだった。街のペースもゆっくりで大らかなのかもしれない。
そのせいだけではないけど、帰国から1ヶ月半たった今もプラハの方が強く心に残っている。
色んな国に行ってみたいけど
チェコは是非再訪したい。プラハ以外の郊外にも足を伸ばしたくてたまらない。
すっかりチェコに魅せられたハネムーンであった。
これで中欧旅行記は終了。最後までお付き合いくださった方、アリガトウございました。