2008年晩秋中欧旅行 3日目

3日目のプラハ、11/17は月曜だったが『自由と民主主義のための闘争の日』別名『ビロード革命』の日で祝日。
街中でデモなどがあって観光どころじゃないのだろうか?と少し不安もあったけど普通に観光名所を歩く限りでは特に何も感じなかった。
さて、この二日後にはプラハからウィーンへ列車で向かう予定だったので、とりあえず早めに切符を買っておく為に国鉄の駅に向かう。
我々が利用する予定の列車はプラハ・ホレショヴィツェ駅から発車するものだったのだが、その駅はちょっとだけ遠い。
ホテルから一番近い国鉄駅、プラハ本駅で買えるかどうか行って聞いてみることにする。
例えるならば列車の発着駅は上野、自分たちの宿泊地は銀座だったので東京駅に切符を買いに行く感覚か。
しかしプラハ本駅のインフォではプラハ・ホレショヴィツェ駅で買って!と言われる。
もしかしたら扱っている窓口もあったのかもしれないけど、まあ当日でも買えるだろう、ということで諦める。
しばしプラハ本駅をウロウロしてみるが、国際列車が止まるとは思えないこじんまりした駅だった。
吹き抜けになったドーム丸天井の部分も改装中とあって雑然としている雰囲気。

でもそこかしこがレトロでいい感じだった。
プラハ本駅からは徒歩で国立博物館へ移動。正直言って所蔵品にはあんまり興味なく、入ってすぐの吹き抜け大階段見たさだった。
予想どおりのカッコよさ。そしてちょうど祝日だったせいかチェコの国旗カラーの垂れ幕が下がっていたのがまた印象強くしてくれた。

そんな吹き抜け目的で入ったにも関わらず、チェコ共和国の近代史と国民の生活展示のような特別展示をやっていて中々面白かったし
常設展示の動物の剥製ルームや昆虫標本やら…展示ケースにみっしり、しかしひっそりと地味に並ぶ様が…私の思い描く正しい「博物館」の姿であってとても良かった。
博物館から地下鉄ムーステク駅までの750mほど、ヴァーツラフ広場と呼ばれる大通りになっている。
1968年には、チェコの改革運動を弾圧する為の軍事介入があり、この広場には戦車が乗り入れられたという悲しい歴史もある。
ちょうど『ビロード革命』の日だったせいか、広場の中央ではパネル展示のようなものがあったようだ。
そんなヴァーツラフ広場で何軒も見かけたホットドックスタンド。この中に衝撃的なメニューを発見。

見えるだろうか?ソーセージが5本も挟まったハンバーガーが!お腹が空いていれば是非ともトライしたかったところ。
ヴァーツラフ広場から色々寄り道しながら、夕べも行った旧市街広場にある旧市庁舎・天文時計の展望台に登ることにする。

天文時計はからくり仕掛けになっている。毎時毎時そのからくりが作動するのでいつも人だかりが出来ていたが、実際、毎時の打刻が終わる度に「あーぁ…ハハハ」というような観光客の失笑のようなものが聞こえることは否定できない。うーん。
その時計に向かって左手側にあるドアを入ると観光案内所があり、その奥からエレベーターで上って展望台チケットを購入する。
その先も更に上まで螺旋階段かスケルトンエレベーターで上る。

そして眼下に広がる風景。なんて美しい街なんだろう。涙。

明日はプラハ観光の最終日となる。この展望台にまた夕暮れ時を狙って来ようとプラハの空に誓う。

キュビズム建築といわれる『黒い聖母の家』(現在はキュビズム博物館となっていてチェコのキュビズム家具などが展示されているそう)に足を運ぶも博物館もショップも月曜休業。
上記写真の流麗な螺旋階段を登った先にある二階のカフェ『グランドカフェオリエント』は営業していたので一休み。

考えてみたらこの旅でゆっくりと珈琲飲むのも初めてかも。
このように店の内部のシャンデリアや椅子などもキュビズム独特のスクエアなデザイン。かっこいい。
ショップは中々すばらしいデザインのグッズが沢山ありそうだったので明日また来ることにして、街の散策を続ける。
もう、だいぶプラハ旧市街の土地観が出てきたみたい。初日のように迷うこともなく歩ける。
歩いているうちにNarodniTrida(ナーロドニー・トシーダ)という駅付近に出て本屋などに入ってみる。不思議だ。本屋に入っただけでかなり落ち着く。
言葉が分からなくても楽しくて楽しくてしかたがない。お土産用にチェコのハンドクラフトテキスト本とか、もぐらのクルテクやヨゼフ・ラダのカレンダーを購入。自分用には英語で書かれたチェコレシピ。

本屋の近くには1920年代くらいに建設されたパッサージュがあって用も無いのに入り込んでみる。

一旦ホテルに帰って、ホテル前にあったベルギーチョコレート屋さん『ゴールドプラリネーズ』で買ったチョコレートで暫し休息。
こうやって観光中にも徒歩で一旦戻れるほどホテルの立地、アクセスが良かったこと。今回の旅が楽しかった一因でもあると思う。
9月に行った金沢も徒歩で全て周れてお土産で荷物が増えたら一旦ホテルに置いて…ということが出来たのが良かったし
私はこうやって徒歩でちまちま、暮すみたいな、ご近所さん旅行みたいのが好きなのかもしれない。
余談だけれども泊まったホテル『グランド・ホテル・ボヘミア』では毎日毎日ベットメイキングの後に枕の上にチョコレートを乗せておいてくれていて、そのチョコもベルギーチョコだった。

今日の夜御飯はビアホールにて。旅行の下調べをするまで知らなかったけども、チェコの年鑑ビール消費量は世界一らしい。
そんな国のビール、これは呑まないわけにはいかない、というか到着した日からスーパーで購入して試していて、その美味しさ、安さ(水より安いのはホント)は納得していたけど、店で呑まないわけにはいきません。
『U Vejvodu(ウ ヴェイヴォドゥー)』というお店に入って、ビールやらチェコ伝統料理の牛肉料理『Svickova na Smetane(スヴィチコヴァー・ナ・スメタニェ)』などを頼む。
この牛肉料理の肉は筋張っている部分もあったけど、ソースが絶品。すっごく美味。コクがあるけどフルーツソースの酸味がさっぱり効いている。
お皿に一緒にのっているパンみたいのはクネドリーキというもの。これまたチェコ伝統の料理で茹でパンみたいなもんだろうか。
かなりお腹一杯になる炭水化物部隊なので私はこれは殆ど残してしまったなぁ。
このお店、ワイワイガヤガヤ気軽な居酒屋風情で美味しいしイイお店だと思うのだけど、悲しいことにボラれてしまった。
ボラれてることも分かっていたけど、なんて言っていいか分からなかった我々の語学力の問題もあるし、500円程度だからいいか、面倒臭いって思っちゃったのも確か。
でもきっと日本人じゃなかったらボラれてないんだろうなーと思ったのと、
その会計を担当した、見た目中学生みたいな店員の悪巧み顔とこんなにボッたくったぜイエイ!というような事を他の従業員に話していたのを見てたら悲しくなった。綺麗事でなく、ホントにお金以前の気持ちの問題。
なんか悲しい気分でホテルに帰って、そしてホテルに帰ってボヘミアワインで呑みなおそうとしたら
ホテルのワインオープナーがとんでもなく使えないもので開けられない。
しかもボヘミアワインのコルクはガチガチで…。
ああそうだよ、我々の旅には「ソムリエナイフ」が絶対不可欠だったのにまた忘れちゃったよーと思いながらちょっと悲しい気分で寝た。
ワインは開かない。コルクはクラッシュ寸前。
4日目へ続く。