夏、空調、フローラ逍遥

前はもっともっとものすごくイイカゲンだった。
あれは、無頼を気取っていたわけでもないけれども
このままいったらどうなってしまうのだろう?
ということを、なんとなく、漠然と、考えながら
心のどこかで行き着く先まで流れることを望みながら
労働をしない身体に金銭を持たない手を宿し。
でも爪も伸ばしてなかった。


フローラ逍遙 (平凡社ライブラリー)
澁澤龍彦『フローラ逍遥』
その頃の話。
いつかちゃんと収入でも得るようになったら買おう〜とか思っていた本を最近買った。
ハードカヴァーは恐らくもう無いし
新書版ですら書店で見かけなくなってきた。
しかたないのでネットで。
ある深夜に思いつきでポチっと買ってた。
かつてほしいほしいとか思ってたくせに、アクションを起こして買うまで10年ぐらいたってるんだな。
澁澤。夏に読むのが好きだった。
そして閉鎖された自室から北鎌倉へと想いを馳せるのだ。
拝啓、私はいまでもあなたの机上の庭園を愛しています。