前川國男建築展@東京ステーションギャラリー

http://www.maekawa-assoc.co.jp/100th/
生誕100年らしい。
有名どころでいうと小金井の建物園に移築された自邸でしょうか?
残念ながら移築の前川國男自邸の方は未見。
鉄骨鉄筋造が大好きな私としては
木造住宅観てもあんまりピンとこない。
「そのうち年を重ねると木造が好きになってくるよ」
と年配の建築士に言われてはいるけれども、まだやっぱりピンとこない。
ただ、今回の展示で図面とパネル写真と模型にて前川國男自邸のアウトラインを知って
無駄が無くて非常に美しい木造住宅だなと思った。


彼は、大学卒業後にシベリア鉄道でフランスに渡り
コルビジェの門を叩き、その後レーモンド事務所にいた人である。
だから今回の展示はコルビジェやレーモンドの作品なんかも展示されている。
思いもかけない図面やスケッチに出会うことができた。


現在の新宿紀伊国屋書店も前川氏の手によるものらしいけれど
現在の形になるまえの書店の設計が最高によかった。
2階建て吹き抜けで2階にはギャラリーや椅子があって
階下の本の陳列を眺めることができる。
かつて、個人的に「理想の本屋」「理想の図書館」「理想の書斎」を考えていた時期があって
いろいろな資料をあたってみたけれども
理想の図書館は現時点では大英博物館の円形図書館に決定している。
しかし理想の本屋ていうのには巡り合えなかった。
嗚呼、ここにあった、理想の本屋。
百貨店のように階毎に分類されている大型書店は確かに便利だ。
けれど初代紀伊国屋書店の開放感はボンヤリと本を探す作業にはもってこいだと思う。
美しい。


東京ステーションギャラリー展示室の窓から皇居側を眺めると
現在建設中の新丸ビルの向こうに赤茶色のビルヂングがある。
東京海上ビル。もちろん前川建築。
ちょうどそれが眺められる展示室に海上ビルの図面や模型があるのはなかなかいい趣向だった。
そんな東京ステーションギャラリー
この展覧会終了後、2011年まで休館してしまうそうだ。
東京駅赤レンガ駅舎大改修工事…あの上にもう1層付け足すって聞いたけど…どうなっちゃうんだろう。
ステーションギャラリーは恐らくあの古い駅舎内に存続することはないだろうから
是非行った方がいいかもしれません。
3/5まで。