60年代と70年代と。90年代の自分と。 

フルクサス展@うらわ美術館
http://www.uam.urawa.saitama.jp/tenran.htm


最近
18歳くらいの頃−つまり十年も前の頃−
あの頃創った物をもう一回創りなおすことばかり考えている。
描いた絵に関しては、もー、下手の極地でほじくり出す気にもならないのだけども
造形物に関しては十年前の稚拙な技術を超えることができる気がする。
もうちょっと納得いくんじゃないかと思う。
あの頃よりも少しだけ材料にお金をかけれるようにもなってるし・・・。


で、その願望の裏にあるものを考えると
あの頃創っていたものの世界に
今でもずーっと固執し続けているせいでもあると思う。
好きな絵とか描く絵のタッチとはグルグル変わるのに
造形物に関しては変わらない、抜け出せない、そういうこと。
今日の、このフルクサス展に行ってみて、更にそれを実感した次第。


フルクサスって何?
キャプションの「フルクサスとは?」を読んでみても
それで全てが語られているようには思えないし
私も未だ持って説明うる言葉を持たない。


デザインあり写真あり音楽ありハプニングあり
なかでも木の箱やトランクに色々なものを詰め込んだりするひじょうにミニマムな世界に私はとても魅かれ続けている。
何かをパッケージして誰かに郵送するとかタマラナイ。
それを再確認した展示であった。


今回のフルクサス展は映像作品鑑賞ルームと音楽鑑賞ルームがある。
どちらも一日の間に4作品くらいを回し続けている。
1日時間のある人は是非全部鑑賞してもらいたい。
私は聴きたいプログラムがあったのだが
90分のオノ・ヨーコ作品を鑑賞した後でないとかからないので挫折した。
展示中の何日かは特別上映でジョナス・メカスの作品なんかもある。


会場の中にさしたる順路もなく
どこを観てもよくて、グルグルしてる中でどこからかドローンと現代音楽が鳴るし
オノ・ヨーコの釘を打つ作品にドンドンと釘を打つ観覧者の音が鳴るし
ピンポンルームでは変わったラケットで卓球に興じる音がする。
グランドピアノの鍵盤の上に自由に石を乗せて音を出し
弦の部分の硝子球を転がして音を出せる作品は
自分も現代音楽家になれるようで
なんだか雑多でとても楽しい展示だった。


土曜日は入場無料。図書館も併設。素晴らしい。是非。