球体関節人形展@東京都現代美術館

値札がついて百貨店の画廊でやってるような人形展と違うのは、性器が丸出しであったり毛が生えていたり露わな肢体に露わなポーズの人形が多いということ。人形って作り手の欲望がストレートに剥き出しになってしまう表現だなぁというのが素直な感想。
裸でも靴下は決して脱がしてはいけませんよ!というような。
たとえば毛が生えてるってのも、あくまで薄っすらだったんですよ、多分この作者の中ではこれ以下の幼さでもダメでこれ以上の成熟さでもダメっていう少女と女の境界としてのバロメーターが「毛」っていうね、いや多分だけどね。その辺のあからさまな感じがちょっと見てて恥ずかしくなってしまいました。それはエロの好みの問題で、私は抑圧されたエロに魅かれる傾向があるので、あそこまで「君のエロス」を語られるとお腹一杯という感じなのかもしれません。
沢山の人形はそれぞれが本当に十人十色な顔立ちをしていて、そんな中でやはり自分も好みの顔をこっそり探していたことに気付き、面白かった。
球体関節人形って流行ってるんでしょうか?というよりも「少女」って今ブーム?
今出てるSWITCHの鈴木杏蒼井優の表紙*1での「少女」特集だとか、土曜日に行った中原淳一展でも感じたのですが…なんか「今こそ少女を」というようなことを仕掛けようとしてる側がチラチラ見えてグロさを感じる。とても。
いや、現・少女は良いんですよ、居るかどうかは別として。
元・少女だった人に向けての戦略みたいのが感じられてしまって、なんでグロく感じるかっていうと、かくいう自分も「成熟した女」に恐怖を抱いたまま克服せずに年だけとってるイビツさがあるからで、その少女幻想みたいのは凄く分かってしまう部分でもあり、自分の弱点をつつかれてるようでもあるからなのでした。
球体関節人形展。会場を二分する客層のうちのゴシックロリータなお客さんを眺めながら…そんなことを考えたのでありました。


イノセンスの予告映像のそばにあったイノセンスフィギュアかっこよかったです。機械と少女が融合しちゃってるようなヤツ。

*1:二人のグラビア良かったんですが、ハチクロ載せたり綿矢りさ載せたり…なんかもう…見え見えのチョイスで食傷気味でありました。