突然映画を観たくなって、京橋のフィルムセンターまで。市川昆特集上映。
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
夏目漱石の「こころ」だった。全体的にはあんまりピンと来ないところが多いのだけど、細かい構図とかで「おおっ」と思うこと然り。新珠三千代が見目麗しゅう。でもブスっとした女中役の奈良岡朋子の方が観てて面白かった。「先生」役の森雅之。落ち窪んだ眼窩とかたまらなく「苦悩する先生」ぽいですが、ドリフのコントみたいな鬘をかぶってそのまま回想シーンを演じるのは如何かと思われました。ま、昔のことですから。
フィルムセンターは、常連と思われるお年寄りで一杯。ロビーで往年の映画の話をしてるのに聞き耳たてて胸が熱くなった。市川昆ファンが一杯いるのか、映画ファンが一杯いるのかは分からないけれど、ほぼ老人で満席となった客席を観てもなんか胸が熱くなった。婆様が「この時代のって、ちょうど忙しくて観られなかったのよね」とか言ってたりして、この映画の公開時に忙しかった婦人が45年程たって、こういうところで観ているというのにも胸が熱くなり…。映画本編よりも強烈な印象でありました。