静謐なり、シンメトリー

小金井の江戸東京たてもの園内、前川國男邸観る。
まず外観からして攻撃的なものがなにもないのに圧倒的に迫るものがある。
静謐にピッタリと納まって。
こちらが居ずまいを正したくなるような美しいたたずまい。
左右対称なところ、柿渋色塗装も美しい総檜。
フィックスのサロンの窓。
まず南側から眺めて、裏手、北側のエントランスに向かう。
このエントランスにしつらえた大谷石カギカッコ上のブロックが見事。
これは以前行った前川國男展の展示図面を見た時に気になっていた。
門扉をつけることなくそれとなく敷地を区切っているのがとても素敵。
カギカッコで少し視界をさえぎるようにして
玄関までのアプローチ。ここも大谷石
外側からは想像つかないほど内部はモダンだ。
吹き抜けのサロン。何度も何度も写真で眺めたことがあるけれども
実際に入ってみて受ける居心地のよさは写真では味わえない。
サロンの吹き抜け窓の雨戸の戸袋の収め方とか
雪見障子の収め方とか厚さ35mmの窓の木枠とか
とにかく窓開口部付近の納まりが、もっの凄い。
今これをやるっていうとやれる職人さんがいるのかどうか。
そしてこれが建てられたのが戦時下1942年というから驚く。
とにかく素晴らしくて素晴らしくて
木造住宅の良さというものを教えられた気がする。
RCのことばっかり考えていてスイマセンでした。はい。


今日は、恩師とも言える人が病気で療養中ということで
気晴らしになれば、と誘って出かけてみたのだけど
逆に自分がすっかり元気を貰って帰る始末。
でもその人も前川住宅を観て設計する気力を養っていたようなので良かった。
思ったよりも元気そうだ。
2ヶ月遅れの誕生日プレゼントまで頂いてしまった。
こーいうところが
生きる気力が無いとか言いつつB型男だよなぁ調子いいよなぁ。
なんてニヤニヤしつつ
三十路にして始めて異性から花などを贈られたことに気づく。
相手はオッサンだが良いもんだ。花。
余ったフィルムで花を撮影。早く現像しよ。