姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』
地方の中学生と中学教師との恋愛?性愛?肉欲?否、愛欲。
と書くと陳腐に聞える。
でも小学校時代から始まるこの本の
その幼年期の濃度にクラクラした。
あと、どこでもない地方の、わたしの故郷にも変換可能な地方の
とてつもなく苦しい閉塞感に。
読みながら、わたしはずーっと茶畑に囲まれた自分の中学校に居た。


犯ってヤって犯ってヤって…
という作中表現はシンプルかつ巧妙だ。
電車で読んでいて、帰宅するなりラストまで読んでしまった。
大人になった彼らにガッカリ。
でも中学女子だった森本さんが年月をへた姿は変わらずに爆弾だった。


森本さんのように生きられなかったし魅力もなかったけれども
森本さんの幼年期の生意気さというのはちょっと理解できる。