花泥棒

ゆうべは変な夜だった。学生時代の友達と会って、呑んで、そして映画を観て、そしてまた軽く呑んで…なんだかとても非現実的日常な感じがした。
スッカリ体力が落ちて、翌日の仕事を考えてしまって平日に遊ばなくなってしまったせいであろうか?普段とは違う行動。ちょっとしたことでも、日々パターン化された凡庸なワタクシには、非現実であり幸福であった。
小さな小さな非現実があるからこそ、せせこましい現実がどうにか過ごせるのさ、多分ね。
学生時代の友達はかけがえがない。なんて、すっかりいっぱしのツマラナイ大人みたいなことを言う。


ほろ酔いで帰宅。そしてあろうことか、夜半に馨しく香っていた公園のクチナシを手折ってしまう。ゴメンナサイ。どうしても部屋に活けたかったのです。そして部屋はむせ返るような甘美なクチナシ香。非現実はまだ続いているような錯覚。


そしてそんなささやかな非現実は、1日の仕事であっという間に覆されてしまう。参るよ、なんだか。
嘆くな、笑え。イライラしたら経の一本でも唱えやがれ。南無南無。