もう呑まんといつも誓うくせに

飲酒してカラオケなんか朝までやっちゃって、泥酔させる為に凄い量のウィスキー入れてんじゃないの?な濃いコークハイなんか呑んじゃって、んもうスーパーフリー?コークハイって時点でヤンキーだよカラオケ。まさにスーパーなフリーでとても楽しかったんですが、痛飲の果て床で寝た朝、しかも二日酔いの自己嫌悪たるや。体痛いし顔ひどいし髪の毛ボッサボさだしさ。でも行ったよ!電車賃と入場料でギリギリの財布だったけど、途中の電車で吐くかと思ったけど、フィルムセンターの市川昆特集最終日。これ以上自己嫌悪したくなかったからさ。13時からの上映なのに11時半にはフィルムセンター着いちゃって、何アンタ熱狂的ファン?的な視線を送られながら。すごい混んでるかもと思ってたけど凄い空いてた。上映十分前でも余裕で座れたと思います…。
16時の『吾輩は猫である』の方が混むと思うよ〜と叔父さんに言われたけどその通りだった。帰る頃に大行列。


『惡魔の手毬唄』15年ぶりくらいに観ました。満足です。客席にいた老人が、映画始まって最初のシーンで拍手をし、岸惠子のファーストカットに拍手をし…っていう状態でちょっと困ったんですけど、石坂浩二扮する金田一耕介が自転車で駆け下りてくるファーストカットには、私も心の中で拍手でした。いたるところ豪華キャスト。加藤武さん、大滝秀治さん、常田冨士夫さん、三木のり平さん…あぁもう。白石加代子が出てきた時にはもうビックリ。すっごいよ、イイ意味で怪演。


血が吹き飛ぶところで急にモノクロになる場面とか、金田一の耳にカメラがグッと寄るところとか、「にじゅうねんまえ?!」というセリフやら。
鮮明な記憶の再確認作業をするとともに、前に観た時には何とも思わなかったもの−男と女の微妙な感情などが琴線に触れたのでした。岸惠子と若山富三郎が縁側で話すシーン、密かに想う男と、殺された夫を忘れられない女、20年前の色々なことをひた隠している感情の動き。なんてことない会話にもつい落涙。

私は映画の中に映画が出てくるのって結構好きなのですが、この惡魔の手毬唄も然り。活弁士をしていた男が出てくるので、サイレントの映像と、そのサイレント映画がトーキーにうって変わってしまった映画史ということで『モロッコ』の映像が延々流れる。とても効果的に映画愛を感じました。

あと、この映画は舞台が岡山なので登場人物は勿論方言を話します。「〜して下さい」というような意味合いの「〜してつかぁさい」って男性が使っても女性が使ってもとても響が良かった。


フィルムセンターは相変わらずお年寄り常連客たちの映画学校。今日は新宿なんかまだ焼け野原の頃の映画館事情とかつて浅草にあった3つの映画館についての話をロビーで耳にした。胸が熱くなる。