縫い物内省。
ちくちく、ちくちく。
着物の胸元からチラと覗く半襟ですが、あれは手で縫いつけるものなんですよ。
成人式の頃は、それを知らなくて、黒い振袖から是が非でも赤を覗かせたくて、それは、お女郎さんが着るような赤い襦袢を着ないとダメだと思っていたのでした。そんなものウチには無いわよと親に怒られたものでした。*1
あの着物にはあの色の襟が合うだろか?とかあれこれ考えてそれでちくちく手縫いをしてみて、そして着物を羽織る。こういう原始的な行動が「あー服を着ているなぁ」と感じさせてくれる。それはまるで、春が着たら「たらの芽」を、秋には銀杏を頂き*2「生きてんなぁ」と思うことに似ている。
襟を縫うとか足袋を合わせるとか柄と季節を考える、とか、着物にまつわる様々なコトが妙に内省的で箱庭的なので、私はスキなのかもしれない。